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Rabbit r1 は実際使えるの? 現状の機能と課題を徹底レビュー

最近、Humaneが開発するAi Pinや、メガネ型のAIデバイスFrameなど音声アシスタントを搭載したデバイスが注目を集めています。そんな中、アメリカのスタートアップ Rabbit が開発した Rabbit r1 が登場しました。

Rabbit r1 は、音声アシスタント、翻訳機能、AI を駆使したカメラなどを搭載した、コンパクトなデバイスです。

価格は 199ドル(約28,900円)。

デザイン、操作性、音声アシスタントの精度、カメラの性能、バッテリー寿命など、様々な観点から Rabbit R1 を検証していきます。本記事が、Rabbit R1 の購入を検討する際の参考資料となれば幸いです。


デザイン

Rabbit r1 は、一目でそれとわかる個性的なデザインが特徴です。

手のひらに収まるコンパクトなサイズ感と、鮮やかなオレンジレッドのデバイスは、レトロな雰囲気を感じさせます。

スウェーデンのデザイン会社 Teenage Engineering がデザインを手がけており、細部までこだわり抜かれた美しい仕上がりとなっています。

デバイスの素材は頑丈なプラスチック製で、しっかりとした作りになっています。

ボタンやスクロールホイールは、クリック感があり、操作しやすい配置です。

全体として、Rabbit r1 は、デザイン性と操作性を両立させた、完成度の高いデバイスと言えるでしょう。

機能と性能

Rabbit r1 は、小さな筐体に、多彩な機能を詰め込んでいます。

音声アシスタント機能

Rabbit r1 の目玉と言えるのが、音声アシスタント機能です。デバイスの右側についているボタンを長押しして音声入力します。

多言語対応ですが、音声入力は英語に限定されています。

つまり、Rabbit r1 に話しかける際は、必ず英語で指示を出す必要があります。

例えば、日本語で自己紹介をさせたい場合は、「Introduce yourself in Japanese(日本語で自己紹介してください)」のように、英語で指示する必要があります。

ただ、現状、日本語の精度は高くありません。特に、漢字や発音が不自然に聞こえることがあります。

音声認識の精度は高く、自然な英語で話しかけても、しっかりと理解してくれます。

カメラ機能

Rabbit r1 には、360度回転するカメラ「rabbit Eye」が搭載されています。

このカメラは、写真や動画撮影に加え、AI を活用した画像認識機能も備えています。

Rabbit r1 のカメラに観葉植物を写して、「この植物を識別してくれる?」と英語で聞いてみました。

(訳)画像には緑の葉が茂った鉢植えが見えますが、具体的な植物の種類はわかりません。葉はハート型のように見えますが、これは多くの観葉植物の特徴です。詳細な情報がないと、この植物の正確な名前を特定することはできません…

という回答が返ってきました。

残念ながら、具体的な植物の種類までは特定できなかったようですが、葉の形や鉢の特徴などを正確に捉えている点は評価できます。

一方、使用している Yeti マイクの画像を Rabbit r1 に見せて、パターン設定について質問したところ、「GAIN」ノブまでは認識できたものの、細かいロゴまでは認識できませんでした。

現状では、複雑な画像認識には対応しきれない部分もあるようです。

翻訳機能の有用性

Rabbit R1 の機能の中で、最も実用性が高いと感じたのは翻訳機能です。「Please activate translation mode, from Japanese to English」のように話しかけることで、簡単に翻訳モードに切り替えることができます。

翻訳の精度は高く、応答速度も速いです。 最近発表された GPT-4o の音声入力機能と比較すると、若干遅く感じますが、実用上問題となるレベルではありません。

Journal 機能: 過去の会話履歴を確認

Rabbit r1 には、Journal と呼ばれる機能があり、過去の会話履歴をウェブサイト上で確認することができます。

この機能は、過去の指示内容や Rabbit r1 の応答を振り返りたい時に役立ちそうです。

アプリ連携

連携できるアプリは、音楽、配車サービス、フードデリバリー、また、画像生成AIのMidjourney、音楽生成AI Suno があります。

私は、Midjourney、Suno、Spotify と連携して試してみました。

Spotify の連携は非常にスムーズで、「Play Michael Jackson music」のように話しかけるだけで、すぐに音楽を再生することができました。

「Stop the music」や「Next song」といった音声コマンドにもしっかりと反応し、快適に楽しむことができました。

また驚いたのは、Rabbit r1 のスピーカーの音質の良さです。コンパクトな機体からは想像できないほど、クリアでパワフルなサウンドを楽しむことができます。

しかし、Suno や Midjourney との連携は、まだ不安定な印象です。

最初の数回は、問題なく曲を作ったり、画像を生成したりすることができましたが、その後はエラーが頻発し、うまく動作しませんでした。

これは、Rabbit r1 側の問題である可能性があり、今後の改善に期待したいところです。

バッテリー寿命

Rabbit r1 のバッテリー容量は 1000mAh で、公式には 1 回の充電で 1 日中使用可能とされています。しかし、発売当初はバッテリーの消耗が非常に早く、多くのユーザーから不満の声が上がっていました。

こうした状況を受けて、Rabbit 社は 2024年5月1日に最初のソフトウェアアップデートをリリースしました。このアップデートでは、「アイドル時のバッテリー性能が最大 5 倍向上」したとされており、バッテリー駆動時間の改善が図られています。

体感としては、1日は充電なしで使えます。

使用感と実用性

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