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【週刊AI】GPT-4.5 & GPT-5ロードマップ公開、ChatGPTが世界6位へ | #3 2025年2月10日~2025年2月16日

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〜2月23日 22:00

2025年2月も中盤に差し掛かり、AI界隈の動きはさらに活発になっています。今週は、OpenAIが「GPT-4.5」と「GPT-5」のロードマップを発表し、ChatGPTの大幅アップデートが実施されました。

さらに、スーパーボウルCMの初出稿や世界サイトランキング6位への浮上など、OpenAIの存在感が一層際立つ1週間となりました。

また、Googleの「Veo 2」がYouTube Shortsに統合され、Adobeは「Firefly Video Model」を公開。イーロンマスクによる「Grok3」に関する言及などもあり、各社の競争がますます激しくなっています。

「ChatGPT研究所」では、AI業界の重要なニュースを厳選し、最新の進展をシンプルにまとめてお届けします。


1. OpenAIが「GPT-4.5」と「GPT-5」のロードマップを発表

OpenAIは2025年2月12日、サム・アルトマンのX投稿を通じて、次世代AIモデルとなる「GPT-4.5」「GPT-5」に関するロードマップを公開しました。アルトマンは「Orion(オリオン)」のコードネームで呼ばれるGPT-4.5が、従来モデルのような推論(チェーン・オブ・ソート)を採用しない最後のモデルになると位置づけています。

一方、GPT-5では高度な推論が可能な「oシリーズ」を統合し、ユーザー側のモデル選択を不要にする“魔法のように統合された知能”を実現する計画です。無料ユーザー向けにも標準レベルのGPT-5を無制限提供するとしており、有料プランではさらに上位の知能レベルや追加機能が利用できる段階的な提供形態を導入する予定です。

主なポイント:

  • GPT-4.5(Orion)の位置づけ
    従来モデルを小幅に改良し、数週間以内にリリース予定。回答の品質・速度が向上すると見込まれます。

  • GPT-5での統合
    「o3」を含む高度推論モデルをGPTシリーズと一本化し「数か月後」に投入される予定。ユーザー側のモデル選択を不要化

  • 利用プランごとの知能レベル
    無料のChatGPTでも標準知能のGPT-5が使えるようになり、上位プランではより高い知能や音声・キャンバス機能などを段階的に開放。

  • 背景と狙い
    複数のモデルラインナップが複雑化した現状を簡素化し、GoogleやAnthropicなどの競合が進める次世代モデルとの競争に備える方針です。

2025/02/16時点では、最大8個のモデルが選択可能

今後の展望:
まずGPT-4.5によって既存環境の安定化・小幅な性能向上を図り、その後のGPT-5で大幅な統合・高度化が行われる計画です。

競合他社の新モデル公開も予想されるため、2025年はAI各社がモデル統合や機能拡充を競い合う年になるでしょう。GPT-5の正式発表に向け、さらなる詳細が待たれます。


2. OpenAIの取締役会、イーロン・マスクによる974億ドル買収提案を正式拒否

OpenAIの取締役会は2025年2月14日、イーロン・マスク氏が率いる投資家グループからの約974億ドルに上る買収提案を正式に却下しました。

取締役会長のブレット・テイラーは「OpenAIは売りに出しておらず、AGI(汎用人工知能)をすべての人類のために役立てるという非営利ミッションを強化する」と声明を発表。マスク側は「取締役会には提案を慎重に検討する受託責任がある」と再度批判しています。

主なポイント:

  • 正式拒否の決定
    取締役会はマスク氏の提案を「競合を妨害する行為」と見なし、全会一致で拒否。

  • ブレット・テイラー氏の声明
    「OpenAIは非営利ミッションを守るための再編を検討しているが、マスク氏の買収は受け入れない」と明言。

  • マスク氏側の反応
    買収提案の撤回も辞さない構えを示す一方、取締役会が正当な手続きを無視したと主張。

  • 訴訟の継続
    両者はOpenAIの営利化をめぐって係争中であり、今回の正式拒否を受け法廷闘争が一段と激化する見通し。

マスクは2024年8月にOpenAIを相手取った訴訟を提起しており、今回の拒否により訴訟戦略を強める可能性がある。

今後の展望:
OpenAIは非営利の使命を維持しつつ、増大する開発費用を確保するための再編に動く見通しです。マスク氏側は訴訟や世論喚起を継続し、OpenAIの営利化を阻止する構えを崩していません。今後も激しい応酬が続く可能性があります。


3. Googleの動画生成AI「Veo 2」がYouTube Shortsに対応

Googleは2025年2月13日、YouTube Shortsに最新の動画生成AIモデル「Veo 2」を導入すると発表しました。これにより、テキストプロンプトを入力するだけで短い映像を生成し、撮影した素材がなくても独自のショート動画を作れるようになります。

まずはアメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの4か国で提供開始され、日本などその他の地域へは今後段階的に拡大される予定です。

主なポイント:

  • 高品質なテキスト-to-ビデオ生成
    「Dream Screen」機能がアップデートされ、テキストから短い映像を直接生成可能に。海辺や宇宙空間など、実際には撮影が難しいシーンの動画も簡単に作れます。

  • 個別の動画クリップの追加
    従来の“背景生成”だけでなく、Shorts編集時にAI生成動画をパーツとして挿入できるため、既存のクリップと自由に組み合わせられます。

  • AI生成コンテンツの透かし(SynthID)表示
    Google DeepMindの「SynthID」技術で、動画内に見えないウォーターマークを埋め込み。視聴者に対しても「AIで生成されたコンテンツ」とラベルが付与されます。

  • 一部地域限定の先行公開
    米・加・豪・NZの英語圏で即日利用可能。日本を含む他地域は順次対応見込みですが、VPNを使えばすでに機能を試すことも可能です。

実際にVPNを利用して日本からテストしてみたところ、短時間で高品質な動画を生成でき、クリエイティブの幅が大幅に広がる印象を受けました。以下はそのデモ動画ですので、興味のある方はぜひご覧ください。

4. Adobe「Firefly Video Model」のベータ版が公開

2025年2月12日、Adobeは生成AIシリーズ「Firefly」において、新たに「Firefly Video Model」のベータ版をリリースしました。テキストや画像を入力するだけで、数秒の短い動画クリップを自動生成できるのが特徴で、Adobe Stockなど許諾済みのデータを活用して学習しているため、著作権面で安全(IP-friendly)な出力が得られるよう設計されています。

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