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OpenAI o1徹底解説。プロンプト作成のコツやGPT-4oとの違いを紹介

はじめに

OpenAIは2024年9月、新しい言語モデルシリーズo1を発表しました。この「o」はOpenAIの頭文字を表しています。

o1は従来のGPT-4oとは異なり、複雑な問題解決に特化した推論モデルです。その特徴は以下の通りです:

  • 人間のように時間をかけて「考える」内部プロセスを持つ

  • 科学、数学、コーディングなどの複雑なタスクで高い性能を発揮

このような新しいアプローチにより、o1の使用方法、プロンプト設計、適切な使用場面は従来のモデルとは異なる部分があります。

本記事では、o1モデルの特徴、使い所、効果的なプロンプト設計について詳しく解説していきます。


o1モデルとは

o1モデルは、OpenAIが開発した新しい大規模言語モデルシリーズです。

特徴

o1モデルの最大の特徴は、その高度な推論能力です。科学、数学、コーディングなどの複雑な分野において、博士課程の学生に匹敵する、あるいはそれを上回る性能を発揮します。

例えば、国際数学オリンピック予選問題(AIME)では83.3%という驚異的な正答率を達成しました。これは、同じ問題セットでGPT-4oが示した13.4%の正答率を大きく上回る結果です。

o1モデルが高い推論能力を実現できるのは、その独特な内部思考プロセスにあります。人間が複雑な問題に直面したときのように、モデルは即座に答えを出すのではなく、「考える」時間を持ちます。

この過程で、モデルは「推論トークン」と呼ばれる特殊なトークンを使用し、内部で長い思考チェーンを生成します。

https://platform.openai.com/docs/guides/reasoning/how-reasoning-works

これにより、問題の本質を深く理解し、適切な解決策を導き出すことが可能になります。

さらに、o1モデルは優れた自己修正能力を持っています。問題解決の過程で、モデルは複数のアプローチを試行し、最適な解決策を見つけ出します。また、自身の誤りを認識し、修正する能力も備えています。


設計思想

o1モデルの設計思想の核心は、人間の思考プロセスを忠実に再現することにあります。特に重要なのは、「Chain of Thought」と呼ばれる概念です。

https://arxiv.org/pdf/2201.11903

o1は、人間が難しい質問に答える前に長時間考えるのと同様に、問題解決を試みる際にChain of Thoughtを使用します。

強化学習を通じて、o1はこの思考の連鎖を磨き、使用する戦略を洗練させていきます。

具体的には、自身の間違いを認識して修正し、複雑なステップをより簡単なものに分解し、現在のアプローチが機能しない場合は異なる方法を試みる能力を学習しています。


モデルバリエーション

o1シリーズには現在、2つのバリエーションが存在します:

① o1-preview

  • このモデルは、広範な知識を活用した複雑な推論が可能です。

  • 出力トークンの上限は32,768トークンで、多岐にわたる高度な推論タスクに適しています。

② o1-mini

  • o1-miniは、コーディング、数学、科学タスクに特化したモデルです

  • o1-previewと比較して高速で低コストな処理が可能です。

  • 出力トークンの上限は65,536トークンと、より長い出力を生成できます。

両モデルとも、128,000トークンコンテキストウィンドウを持っています。これにより、長文の入力や複雑な問題設定にも対応可能です。

ナレッジカットオフは2023年10月です。


o1モデルの使い所

o1モデルは複雑な推論を要する特定分野で優れた性能を発揮します。
主な適用分野は以下の通りです:

① 科学研究のサポート

物理学、化学、生物学などの複雑な問題解決に適しています。高度な理論検証や実験データ解析、新仮説生成のアシスタントとして活用できます。

② 高度な数学問題の解決

国際数学オリンピックレベルの問題を高精度で解くことができ、複雑な証明の検証や新しい数学的アプローチの探索に役立ちます。

③ 戦略的意思決定のサポート

複雑な状況下での意思決定や戦略立案において、多角的な分析と推論を提供します。

④ 教育・学習支援

複雑な概念の説明や段階的な問題解決のガイダンス、個別化された学習計画の作成に活用できます。

⑤ 複雑なコーディングタスク

高度なアルゴリズム設計、コード最適化、大規模ソフトウェアアーキテクチャの設計など、難度の高いプログラミングタスクに適しています。

ただし、o1モデルにはウェブ検索機能や画像認識機能が現状ないため、最新情報や視覚的入力を要するタスクには適していません。また、一般的な会話や幅広い知識を要する質問には、従来のGPT-4oの方が適している場合があります。

タスクの性質を考慮し、o1モデルとGPT-4oを適切に使い分けることが重要です。


o1モデルのプロンプト設計

OpenAIは、o1モデルの推論能力を最大限に活用するために、従来のモデルとは異なるプロンプト設計を提案しています。

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