【Claude MCP】Cloudflare MCP Serverを連携してClaudeでアプリ作成
はじめに
前回は Claude MCPを使ってデータベースと連携する方法をご紹介しました。
今回は、Claude MCPをWebアプリケーション開発プラットフォームである Cloudflareと連携させて、アプリを作成する方法を解説します。
例えば、「Webサイトを作って」というように自然言語で指示するだけで、Cloudflare Worlers上に Webサイトが公開することができます。
今回の記事は、Cloudflareの無料機能でできる内容になってますので、Claudeの月額料金を支払っている方は、追加の課金は必要ありません。
Claudeを登録されている方はこの記事を参考に、ウェブアプリを作成してみてください。
Cloudflareとは
Cloudflareというツールを聞いたことがないという方向けに、簡単にCloudflareについて解説します。
Cloudflareは、WebサイトやWebアプリをより速く、安全に、そして信頼性高く運営するためのサービスです。
世界中に張り巡らされたネットワークと多様な機能を活用することで、開発者は面倒なインフラ管理から解放され、アプリ開発に集中できます。
Cloudflareの主な機能とメリットは以下の通りです。
コンテンツ配信ネットワーク (CDN)
世界中に配置されたサーバーを利用して、Web サイトのコンテンツをユーザーの地理的に近い場所から配信します。これにより、読み込み時間が短縮され、表示速度が向上します。
例えば、東京のユーザーがロンドンにあるサーバーのWebサイトにアクセスする場合、CloudflareのCDNを介することで、地理的に近い東京のサーバーからコンテンツが配信され、表示速度が向上します。
セキュリティ
Webサイトへの攻撃をブロックし、悪意のあるアクセスから保護します。ファイアウォール、DDoS対策など、堅牢なセキュリティ機能がWeb サイトを脅威から守ります。
例えば、DDoS攻撃を受けている Web サイトは、Cloudflareによって攻撃トラフィックが遮断され、サービス停止を防ぐことができます。
パフォーマンス最適化
CloudflareはWebサイトの表示速度を向上させるための様々な技術を提供します。
画像の最適化、キャッシュの活用、コードの縮小などにより、Web サイトのパフォーマンスを最大限に引き出します。
コスト削減
CDNを利用することで、サーバーへの負荷が軽減され、帯域幅の使用量を削減できます。これにより、サーバー費用やインフラ費用を抑えることができます。
さらに、Cloudflareは無料プランを提供しており、個人開発者や小規模な Web サイトでも気軽に利用できます。
無料プランでもCDN、セキュリティ、パフォーマンス最適化といった主要機能を利用できます。
Cloudflareの主要サービス
今回の記事では、Cloudflareの主要な5つのサービス、Workers、Pages、R2、D1、KVについて解説します。
Workers
Workersは、Webサイトやアプリケーションの機能を拡張するためのプラットフォームです。Cloudflareの世界中に広がるデータセンターのエッジサーバー上で、JavaScriptなどのコードを実行できます。
従来のサーバー管理と異なり、Workersはサーバーレスで動作します。つまり、サーバーを用意したり、メンテナンスを行う必要がありません。必要な時に必要なだけ実行されるため、無駄なコストがかかりません。
例を挙げると、ECサイトで商品の価格を表示する際に、為替レートに応じて価格を動的に変更するといった処理をWorkersで行うことができます。これにより、常に最新の価格をユーザーに表示することが可能になります。
公式ドキュメント:
Pages
Pagesは、静的なWebサイトを簡単に公開・管理できるサービスです。HTML、CSS、JavaScriptファイルなどをアップロードするだけで、CloudflareのCDNを通して世界中に高速に配信されます。
頻繁にコンテンツが更新されないWebサイト、例えば会社のホームページや個人のポートフォリオサイトなどに最適です。
公式ドキュメント:
R2
R2は、画像、動画、音声などの大容量ファイルを保存するためのストレージサービスです。
一般的なクラウドストレージサービスと比べて、データのダウンロード料金が安価に設定されているため、コストを抑えながら多くのデータを保存できます。
R2は支払い情報を登録後に使用可能になります。
※10GB/月までなら無料で使えます。
例えば、Pagesで作成したWebサイトで使用する画像や動画をR2に保存し、高速に配信することができます。写真共有サービスや動画配信サービスのように、大量のファイルを取り扱うWebアプリケーションに適しています。
公式ドキュメント:
D1
D1は、Webアプリケーションで使用するデータベースを簡単に作成・管理できるサービスです。SQLというデータベース操作言語を使って、データの保存や取得ができます。サーバーレスで動作するため、データベースサーバーの管理は不要です。
例えば、ECサイトの顧客情報や商品情報を保存するデータベースとしてD1を利用できます。WorkersやPagesからD1にアクセスして、データの読み書きを行うことができます。
公式ドキュメント:
KV
KVは、アプリケーションの設定情報や一時的なデータを保存するためのシンプルなデータベースです。「キー」と「値」の組み合わせでデータを保存し、キーを指定することで対応する値を取得できます。
例えば、Webサイトの表示言語をユーザーごとに設定する場合、ユーザーIDをキーとして、設定された言語を値としてKVに保存できます。
次回ユーザーがアクセスした際に、KVから言語設定を取得し、適切な言語でWebサイトを表示することができます。
公式ドキュメント:
KVとD1の使い分け
KVとD1はどちらもデータを保存できますが、それぞれ得意な用途が異なります。
D1 は、データの構造が複雑で、検索や集計などが必要な場合に適しています。 顧客情報、商品情報、注文履歴など、リレーショナルデータベースで管理するようなデータに向いています。
KV は、データの構造がシンプルで、特定のキーに対応する値を高速に取得したい場合に適しています。 アプリケーションの設定情報、キャッシュデータ、セッションデータなどに向いています。
これらのサービスは単独で利用することも、組み合わせて利用することも可能です。
Cloudflare MCP Serverについて
Claude MCPはそれ自体がCloudflareのサービスを直接操作できるわけではありません。
ClaudeとCloudflareの間を取り持つ「翻訳機」のような役割を果たすのが、Cloudflare MCP Serverです。
Cloudflare MCP Serverは、Claudeからの自然言語の指示を、Cloudflareのサービスが理解できるコマンドに変換し、その結果をClaudeに返します。
例えば、あなたがClaudeに「D1の一覧を確認して」と指示したとします。
Claudeはこの質問をCloudflare MCP Serverに伝えます。
Cloudflare MCP Serverは、この質問をCloudflareが理解できるコマンドに変換します。
Cloudflareは、D1の一覧をCloudflare MCP Serverに返します。
Cloudflare MCP Serverは、D1の一覧をClaudeに伝えます。
Claudeは、あなたにD1の一覧を表示します。
このように、Cloudflare MCP ServerはClaudeとCloudflareのサービスの間で「通訳」の役割を果たし、あなたが自然言語でCloudflareを操作することを可能にします。