ChatGPT「Canvas」機能アップデート:OpenAI連続発表会、4日目ポイントまとめ
本記事ではOpenAI連続発表会、4日目の内容をまとめます!
2024年12月11日、OpenAIは、ChatGPTの新たなアップデートとして、これまで有料プラン(Plus/Teamユーザー)向けにベータ提供していた「Canvas機能」を全ユーザーへ解放しました。
これにより、無料ユーザーも含め、あらゆるユーザーがCanvasを用いて、より文章作成やコーディングを行うことが可能になります。
さらに、Canvas内でのPythonコード実行機能や、カスタムGPT(GPTs)へのCanvas統合サポートが発表され、ChatGPTの利用方法が大きく拡張されました。
1. Canvas機能の正式リリース
これまで「Canvas」は、主にPlus/Teamユーザー向けのベータ機能としてテスト提供されてきましたが、今回のアップデートにより、無料ユーザーを含む全ユーザーが利用可能になりました。
これにより、従来のテキストチャットを超えてChatGPTと別ウィンドウで共同作業を行えます。
Canvasについてはこちらで詳しく解説しています。
Canvasの特徴とメリット
① 視認性・編集性の向上:
従来、ChatGPTが生成したテキストはチャット履歴に埋もれがちでした。
Canvasを用いることで、チャット画面と並列して「文書エディタ」に相当する領域を確保でき、リアルタイムに編集・加筆が可能です。
② インラインコメントとフィードバック機能の充実:
ChatGPTは特定の段落やコード行に対して直接コメントを付与でき、編集ポイントが明確になります。
特定の段落や行に対し「ここをもう少し分かりやすく」「このコード行を修正すべき」など、ピンポイントなフィードバックを受け取り、スムーズに修正が可能です。
③ 共同作業とドラフト管理の効率化:
Canvasを使うことで、文章作成からコード執筆まで、あらゆるタスクを1つのUIで完結できます。
ドラフト段階からChatGPTと協働し、反復作業やバージョン管理が容易になります。
2. Canvas内でのPython実行機能
① 即時実行と高速フィードバックループ:
WebAssemblyによる高速起動のPython実行環境を内蔵。
ローカル環境やノートブックサービスへの切り替えなしで、コード修正→実行→結果確認を数秒で繰り返せます。
② デバッグ:
実行結果やエラー発生時には、Canvas上で該当行や関数が即座に特定され、ChatGPTが的確な改善提案やコード修正案を提示してくれます。
③ 豊富なライブラリ対応とデータ可視化機能:
Matplotlibなどの標準的なPythonライブラリをそのまま活用し、チャートやグラフをCanvas内で直接生成可能。
データ分析、結果の視覚化、仮説検証を外部ツールなしで実現できます。
④ ネットワークリクエスト対応(外部API連携)
今回のアップデートで確認された重要なポイントとして、Canvas上で動かすPythonコードが外部APIへのリクエストを実行可能となりました。
これにより、リアルタイムデータ取得や外部サービスとの連携がシームレスになり、ChatGPTとCanvasを活用して以下のことが可能になります。
リアルタイムデータの取り込み:
天気、ニュース、株価など最新情報をその場で取得・分析可能動的コンテンツの生成:
最新データを基に文章やレポートを随時更新できる開発・検証プロセスの円滑化:
外部APIのレスポンスを即座にテスト・整形し、ChatGPTのコメントで改善提案を得ることで、よりスムーズな開発が可能
3. GPTsへのCanvas搭載
今回のアップデートで、GPTsにもCanvas機能を組み込めるようになりました。これにより、特定タスクや領域に特化したGPTにおいても、Canvasならではの並列編集・フィードバック環境を最大限活用できます。
主なメリット
① 特化タスクでの統合作業環境の実現:
カスタムGPTは、特定のドメイン知識やカスタムインストラクションを内包しています。ここにCanvasが加わることで、その領域に最適化された編集空間が提供され、専門的な文章作成やコード精査をワンストップで実行可能。
たとえば、法務関連GPTにCanvasを組み込めば、契約書ドラフトを即時に修正・検証することができます。
② 指示と出力の親和性向上:
カスタムGPTの設定画面で「Canvasツールを有効化」し事前の指示で「Canvasを使用してください」と指示をすれば、GPTは初回からCanvasを用いて回答を生成・編集します。
毎回、プロンプトで「この回答はCanvasで編集してください」と指示する必要がなくなります。
4. 提供開始時期・利用方法
提供開始時期
本アップデート(Canvas機能の全ユーザー開放、Canvas内でのPython実行、GPTsへのCanvas搭載)は、2024年12月11日より順次反映されます。
使い方
ChatGPTのアクセス:
通常通りWebブラウザ、およびデスクトップ版でChatGPTのダッシュボードにアクセスし、ログインしてください。
Canvasツールの呼び出し:
最新のアップデートでメッセージ入力欄の近くにある「ツール」ボタンが追加されます。ここに「Canvas」オプションが表示されるようになれば、Canvasが有効化されています。
Canvasの初期化:
「Canvas」を選択すると、チャットウィンドウの横にエディタ領域が表示されます。
新規文書やコードの下書き、既存テキストのコピーペーストなど、自由に編集可能です。
Pythonコード実行やコメント付与:
Canvas上でコードを入力し、右上(またはCanvas上部)にある「Run」ボタンをクリックするとPythonコードが即時に実行され、結果がコンソール領域に表示されます。
「Always run」を選択します。
Consoleにコードを実行した結果が表示されます。
修正が必要な場合は、ChatGPTが該当箇所へコメントを付与するため、その場で改善を行うことができます。
GPTsへのCanvas統合設定:
すでに作成済みのカスタムGPT(GPTs)を編集し、設定画面で「Canvasツールを有効化」するチェックボックスをオンにすると、そのGPTはCanvasモードで回答を生成できます。
まとめ
今回のアップデートでは、Canvas機能が無料ユーザーを含むすべての利用者に開放され、PythonコードをCanvas内で即時に実行できるようになりました。また、カスタムGPT(GPTs)でもCanvas機能が使えるようになり、特定の分野に特化した作業環境をより効率的に構築できます。
これらの新機能によって、文章編集、コード開発、アイデア出しなど、さまざまなクリエイティブ作業が1つの画面内でスムーズに行えるようになります。
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