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【週刊AI】OpenAI“Deep Research”リリース×ソフトバンクは30億ドル超投資へ | #2 2025年2月3日~2025年2月9日
2025年2月に突入し、AI関連の話題は相変わらず止む気配がありません。毎日のようにリリースや投資、最新ツールの発表があり、情報の流れは加速度的に増していますよね。こうなると、どれを追いかければいいのか迷ってしまう方も多いはずです。
そんな方に向けて、「ChatGPT研究所」ではこの一週間のAIに関する最新動向の中でも特に注目度の高いニュースを厳選してお届けしていきます。
1. ChatGPTの新機能「Deep Research」が登場
OpenAIは2025年2月3日、ChatGPT向けに「Deep Research」という新機能を公開しました。これは従来の検索機能とは異なり、AIが自動でウェブや各種ツールを複数ステップで操作し、必要なデータを集約・分析して引用付きのレポートを生成するエージェント型機能です。
短いプロンプトから数十分かかるような複雑な調査を行えるため、入念な下調べが必要な個人利用・ビジネスでの活用が期待されています。
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主な特徴:
高精度のリサーチプロセス
Deep Researchは検索向けに微調整された「o3」モデルが実装されており、ウェブ検索やPDFの解析、さらにはPythonツールまで活用して包括的に情報を収集します。引用付きレポートの生成
参照元URLやAIの推論概要が明示されるため、信頼性や検証性が大幅に向上。ハルシネーション(誤情報)リスクを軽減する工夫がされています。
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利用条件と制限
現在、ChatGPT Pro(月額200ドル)ユーザーが月100回まで利用可能で、今後PlusやTeamプランへ順次提供予定。処理には5~30分ほどかかり、リサーチ中はサイドバーでAIの進捗が可視化されます。幅広い応用範囲
金融や科学、政策分野の専門的な調査だけでなく、家電・自動車など消費者向け製品の徹底比較やレビュー分析にも役立つとされています。
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今後の展開と影響: OpenAIは数週間以内に、グラフや画像を含むリッチなレポートの出力機能や、企業内システムへのアクセスを想定しているとのこと。
専門家の間では「検索エンジン代替」や「新しいUI」としての可能性が指摘されており、AGIに近づく一歩としても注目を集めています。
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Deep Researchの使い方や具体例はこちらでも詳しく解説しています:
2. OpenAI ×ソフトバンクの新AI「Cristal Intelligence」
OpenAIとソフトバンクグループ(SBG)は2025年2月、「企業向け最先端AI『Cristal Intelligence』」の共同開発・提供で提携しました。SBGは毎年30億ドルを投じてOpenAIのAIをグループ全体に導入し、世界初の大規模企業利用モデルを実現する計画です。
日本市場向けには両社が折半出資する合弁会社「SB OpenAI Japan」を設立し、大企業への安全かつ柔軟なAI導入を支援していくとしています。
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主な特徴:
企業専用のAIエージェント構築
企業内システムやデータと連携し、その企業だけのカスタマイズAIを提供。社内文書の作成・要約、顧客対応、レポート作成など高度な業務を自律的に実行。o1シリーズの進化系モデルを基盤
OpenAIの「o1」モデルをさらに発展し、追加学習・微調整で各社の業務ニーズに最適化。セキュリティ面も強化され、大規模な導入を前提とした設計。グループ全社への大規模展開
ソフトバンク(株)は1億件以上の社内ワークフロー自動化を目指し、Arm社は生産性向上や新技術創出にAIを活用。将来的には「SB OpenAI Japan」を通じ、日本の主要企業へも提供を拡大する方針。出資・運営体制
合弁会社はOpenAIとSBG系SPCが50%ずつ出資し、ソフトバンク(株)の連結子会社として運営。OpenAIが最先端技術を、ソフトバンクが日本市場での営業やエンジニアを担当、Arm社は高性能チップを供給します。
ソフトバンクGの孫正義氏は「AI革命を前進させる」と強調し、OpenAIのサム・アルトマンCEOも「ソフトバンクとの本パートナーシップは、我々のビジョンの実現を加速させ、日本を皮切りに、 世界で最も影響力のある企業に対して革新的な AI を提供します。」とコメント。
すでにSBGは米国で進める巨大AIインフラ計画「Stargate Project」にOpenAIと共に資金拠出を表明しており、ハード面からの支援も進めています。クラウド大手を含む競合との激しいレースの中、企業ごとに専用モデルを導入する新戦略がどのような成果を上げるか、注目が集まっています。
3. DeNAのAI戦略
ゲーム・スポーツ・ヘルスケアなど多角的に事業を展開するDeNAは、2025年2月5日に開催した社内イベント「DeNA × AI Day」で、「現行事業の人員を半分にし、残り半分をAI事業に振り向ける」という方針を示しました。
南場智子代表取締役会長は基調講演で、「DeNAはAIにオールインする」と明言し、約3,000人の従業員のうち1,500人を新規AI事業へ再配置する計画を述べています。
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主な狙いと展開
既存事業の効率化
生成AIを活用してホワイトカラー人員を抑え、空いたリソースを新規事業開発に注力。B2B/B2C両面のAIサービス
ヘルスケアやスポーツといった既存領域で業界特化型AIエージェントを導入し、B2C向けにはゲームやコミュニティ分野で新サービスを検討。M&Aやスタートアップ連携
AI関連企業の買収や投資を強化し、事業をスピーディに拡大。
DeNAは既存のゲーム・スポーツ・ヘルスケア事業を維持しつつ、AI関連の新規事業を複数立ち上げる方針を示しています。南場会長は「急激に進歩する生成AIの波に乗り遅れないため、経営資源を大胆に移す必要がある」と述べており、今後の具体的な成果が注目されています。
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4. OpenAIのリブランディング
OpenAIは創業以来初となる大規模リブランディングを実施し、(1)花形ロゴの洗練化、(2)独自フォント「OpenAI Sans」の導入、(3)新カラーパレットの採用を発表しました。
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